ロキシー 美しき復讐者

投稿日:2019年10月 6日|最終更新日:2019年10月 6日
ロキシー 美しき復讐者
タイトルロキシー 美しき復讐者
原題Vincent N Roxxy
製作年2016
アメリカ
監督ゲイリー・マイケル・シュルツ
出演者ゾーイ・クラヴィッツ、エミール・ハーシュ、ゾーイ・ドゥイッチ、エモリー・コーエン

ロキシー 美しき復讐者のネタバレありレビュー

押尾のレビュー

街で黒人に追われる女ロキシーを助けたビンセント。ロキシーがワケアリであることは承知でビンセントがロキシーを自宅へ招き、そこからロマンス映画のような雰囲気になっていくのですが、不気味な不安感を感じさせるシーンがいくつか挟まって出てきます。

例えば兄の恋人の元カレとの喧嘩シーン。兄が後にボコボコにされると、ビンセントはブチギレて相手3人を1人でボコボコにしに行ってしまう。これ、兄が報復されたようにビンセントも後々ボコボコにされるんじゃないの、とか。

そもそもロキシーは最初になぜ追われていたのか、ワケアリの女を匿っていて大丈夫なのか、とか。とりあえず先行き不安要素が細かく散りばめられている気がしました。今を楽しむのはこの先の不安をかき消すかのよう。

そして遂に冒頭で襲ってきた男がロキシーの居場所を嗅ぎつけて来るわけですね。まあお決まりの展開ですよね。しかしここからが凄いんです。

これまでロマンスチックでありビンセントの兄弟の家族っぽい話だったりが続いていたにもかかわらず、ビンセントの兄、恋人、ロキシーが黒人たちに捕まり暴行を受けてボコボコにされてしまうんです。そこへ助けに向かったビンセントも撃たれてしまいます。

実はロキシーの兄が殺され、8万ドルが行方不明になっていたことで黒人集団が追いかけてきたと。金のありかは、と脅されるロキシー。脅しの対象はビンセントの兄や恋人へ。即顔面を切り刻まれる、頭を撃ち抜かれるなどテンポが早すぎる脅迫と演出が常軌を逸しています。ここに至るまでに実は全体の2/3が過ぎています。後半1/3でこんなにバイオレンスな映画へと急展開するんですよ。

最終的に主人公と思っていたビンセントは半殺しにされながらも驚異的な生命力でロキシーを助けたものの死亡。ここからロキシーは黒人たちへの復習へ。実は「復讐」のストーリーはここからなんですね。前半1時間くらいは復習のきっかけを見せていただけという。後半数十分で素人の女の子ロキシーが拳銃で黒人たちを倒していくのですが、この辺からはもう現実的ではないというか。とはいえバイオレンスに振り切った演出と勢いで返り討ちにあい血だらけになりながらも何とか復習を果たすロキシー。

映画はここで終了です。

普通は冒頭数十分で復習の原因や復習に至るまでの準備などが描かれるのが復讐系映画の王道だと思いますが、「ロキシー 美しき復讐者」の場合は上映時間のほとんどが復讐の前段階を描いているんですよね。だから違和感を感じてしまうのかも。拳銃の撃ち方の練習シーンなどもなく、怒りや復讐心を内に秘め続けるシーンもなく、急展開するストーリーそのままに一気に復讐してしまうわけで。まあ普通の女の子が屈強な黒人男性に向かっていくのは現実的ではありません。

映画の感想としては賛否分かれそうで、前半のほぼすべてが無意味と強く感じる人もいると思いますし、私個人は最後のバイオレンス演出がエグくて、最初の1時間ちょっとの時間が完全に空気になってしまうくらいに感じました。前半の時間を返してくれ!!というのではなく、最後のバイオレンス展開に持っていかれて消えてなくなったくらいな感じでしょうか。

真剣に伏線等を見るような映画ではないのであまり真剣に見すぎるとおかしな部分がたくさんあるので、流して見る程度が良いでしょう。で、流して見ていたにもかかわらず最後は強烈なバイオレンスが繰り広げられるのでそこだけは目をそらしながら見てしまうのではないかと思います。